心の叫びを文字におこしたら

メンヘラの思考実験

おすすめのエロ漫画『PINK GOLD』

この記事は「おすすめのエロ漫画 Advent Calendar 2017」の11日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/2235

初めまして、腐女子です。
私事ではありますが本日誕生日を迎えました。
21の誕生日に、18禁本のお話をしたいと思います。



はじめに
私が今回ご紹介するのは、『PINK GOLD』というボーイズラブアンソロジーです。



「女子による女子のための18禁レーベル」を謳うX-BLからはどエロいアンソロが数々発表されていますが、こちらは記念すべき第一冊目です。
「BLだって息をするようにセックスしてるのに、何で全年齢なんだ」とは世間の声としてよく聞きますが、レーベルテーマにもある通りこの本、18禁です。エロのために作られたエロしかない男達のエロを集結させたエロい本です。
ここら辺で気分が悪くなった方は、速やかにこのブログを閉じることを推奨します。

2012年、当時高校生だった私はもちろんこの本を買えるわけがなく。試し読みを端末にダウンロードして数ページしかないデータを何度も繰り返し読んでいた記憶が甦ります。
18歳になってからもう長らく経ちますが、実は18禁の漫画もゲームも買ったことなかったんです(同人誌は別)。言わばこの本が初体験というわけです。
私はPINK GOLDにアダルト童貞を捧げました。大人の階段をまた一つ昇りました。

この冒頭を書いている現在、まだ本を読んでいません。楽しみ。やばい。個人的には中村明日美子先生への期待が凄い。読んできます。


読んできました。アカン。

……やっば!!!!!!!!やっぱり中村明日美子先生やば!!!!!!!!奇才すぎる!!!!!!!!

心を落ち着けて、表紙から順番に触れていきたいと思います。


表紙
この本、装丁がマージで神。
一見すると半裸の青年(恐らくファインダーシリーズの高羽秋仁)が薔薇を纏っているかのように見えるこの表紙、透明カバーを外すと文字情報と薔薇が全て消し飛びます。消し飛びます。
カバーを暴く手が震えます。まるで初夜を迎えんとする童貞攻めです。さあ、一思いにーー!!

えっ…………シコぉ…………

黒を背景に小首を傾げ、切なげな瞳でこちらを見上げる秋仁が……うっ……直接的な表現はあまり好みでない(めちゃくちゃ苦手)ので断片的な情報だけで伝えると、汁!桃色!!茂み!!!以上です。


2本目から読む
目次を確認するよりも早く1本目が中村明日美子先生であることに気が付きました。えっっっまだ心の準備が出来てない待って待って、2本目から読もう。

全作品のタイトル打ち込んだところで気が遠くなったので、特に気に入った2つだけご紹介します。ネタバレ有りです。

 


〇北野 仁先生「ラブ・イズ・ブラインド」
目の不自由な整体師×サラリーマン
北野先生のことは存じ上げなかったのですがこれむっちゃ刺さりました。萌えの詰め合わせセット。

高校時代からの親友で、同居(同棲ではない)している二人。
攻めは高校時代から徐々に視力が落ちていき、今はぼんやり光を感じる程度。見えなくても働けるよう、職業として整体師を選びました。
受けは普通のサラリーマンで、攻めに長らく片想いしている状態です。あるある。
攻めが見えないのを良いことに、自室に篭って毎日(毎日!!!!)一人で致す受けが可愛い。罪悪感に苛まれています。最高すぎる。
と思ったら部屋に入ってくる攻め。実は耳が良い攻めには全部お見通しなのでした!!!!えっちかよ!?!?
攻めにバレた受けがどんなにエロい格好してても攻めには見えてないんですよ……逆にエロいわ……
そんなこんなで想いが通じ、晴れて結ばれた二人は両想いセックスに移行します。当然の流れですね。
途中「こんな所…和也(攻め)に見られたくなかった…」と受けがグズる(ほんと好き)のですが、ここで攻めが一言。

「……見えてないよ…/でも…/…目が見えてたら…見たかった…」

切な……………………

ただの甘々らぶらぶえっちではなく切なさも混ぜてくるBLは神(断言) 泣く、無理。
朝起きて会話するところで終わるのですがほんと可愛いな~~~親友から始まった恋なので、受けのこと知り尽くしてる攻めが最高に攻めですね。


中村明日美子先生「A先輩」
A先輩×C君(→B先輩)
中村先生は素晴らしい作品を死ぬほど生み出してるお方なので是非是非お手に取ってください……『同級生』とか……

高校の美術部のお話です。A→C→Bの見事な一方通行ですが、A先輩とCくんがセックスをするのでこの表記で。
真面目なA先輩と不真面目なB先輩。
CくんはB先輩のことが好きでした。
しかし優しくて誠実なA先輩、Cくんは彼の好意を無碍にはできず、ついには美術室で事に及ぶことに……そこに履き潰した上履きによる足音が近付いてきます。そう、B先輩です。
ドアの前に立ち尽くすB先輩。その表情は伺えず、ただ室内で営まれる二人の声だけが聞こえてくるばかり。

……私喘ぎ声の描写が大好きなんですけど分かる人います?
活字なのか書き文字なのか、濁点や記号による追加表現、吹き出しの形やそもそも吹き出しが有るのか無いのかなど、喘ぎ声には無限の表現法があると思うんですよね???状況に応じて適切な喘ぎ声表現ができる作者さんは凄い。
そもそも「喘ぎ声」という聴覚情報、数多の視覚的情報と同じように重要視されるべきだと思います。BLCDを嗜み、幾多の男性声優の喘ぎ声を聴いてそれなりに経験を積んできた者としては、そこは気にせずにはいられないって言うか。喘ぎ上手い声優さんはみんな好きですし、BLCDだけじゃなくAVとか観る時も喘ぎが上手い女優さんで探したりします。
とにかくべらぼうにえっちな声が聴きたい(真顔)
視覚情報でしか勝負できない漫画は、如何に読者に聴覚情報を想像させられるかが腕の見せどころだと思います。濁点語尾ハート喘ぎは最高!!!!書き文字セックス最高!!!!

話は逸れましたが。
CくんもB先輩が外にいるのを感じ取ります。清純で淫らな少年の胸は期待に膨らみ、感情は加速していきます。他人とセックスしてるところを好きな人に聞かれてるーーー!胸が痛いのに感じてしまう!背徳的!ひゅう!

さあ!!!!B先輩は!!!!どうするのか!!!!

……結末がどうなったかは是非お手に取ってご確認ください(真顔)(貸します)
正直BLファンタジーをぶっ壊すエンドに、腐女子は冷や水浴びせられた……リアリティかよ……
最後A先輩とCくんが会話してていい感じに終わります。でもじゃあこの二人が幸せになれそうかと言うと、微妙…………


全体を通して
年齢制限設けずにズッコンバッコンヤることヤってることで有名なBLというジャンルですが、じゃあ18禁として出すことによってどのくらいあれがアレで何がナニなんだ?という知的好奇心から買った『PINK GOLD』。一般的な商業BLと比較して感じたことを書いていきます。

まず全ての作品がセックスしてること。
当たり前ですが、買う時点で「このアンソロに載ってる全ての作品はエロいです!!!!」ということが約束されている(頭悪そう)というのはかなり大きいと思いました。顧客側も「とにかくはちゃめちゃにエロいホモが読みたい!!!!」とこの本を手に取ったのではないでしょうか。
一つのテーマを設け、それに沿って沢山の作家さん達が自分なりの萌えを描くのがアンソロだとすれば、この『PINK GOLD』は「18禁」というテーマを元に、数々の作家さんが思い思いのエロを描いて殴り合ったアンソロジーなのだと思います。

もう一つ、修正の話をします。
修正についての細かい話は、私が心から敬愛してやまないエロ漫画ソムリエの邪なわDさんが記事
http://i-am-otaku.hatenablog.com/entry/2016/12/15/011417
で懇切丁寧に説明していらっしゃるので参考にしてください。
2012年の発行なので現在とは多少基準が異なるのかもしれませんが、この本では「全体像が描かれている際はアルミ缶とみかんの境界に修正を入れる」のが共通見解かなと感じました。あくまで素人の判断なので明確な定義は分かりませんでしたが、とりあえずかなり薄い。挿入してたりコマからはみ出していたり咥えられている場合は修正してないものもあって、ゆるいなあ……と拝ませていただきました。
作家さんごとにそこはかなり分かれるところで、ギリギリを攻める先生もいれば、中にはほぼ局部描写がない先生もいて「チキってんじゃねえ一般誌でやれ!!!!」とつい大声を張り上げてしまう場面もありました。


おわりに
作者買いがメインなので、事故率が高めなアンソロジーはあまり手に取る機会がないのですが、新規開拓には持ってこいだなと考えが改まりました。
あとやっぱりエロは良いですね。心が昂る。与えられた僅か数ページに起承転結をつけ、自分の萌えも詰め込みながらセックスをさせるという技術には頭が下がります。お世話になっております。


着地点が分からなくなったので唐突に終わります。純粋無垢で清潔でピュアな乙女なのでこういった話をすることがなかなか無いのですが、とても楽しかったです。今後も腹を割った機会をたまには設けたいですね。